□ 第六の原理 「分解・再統合の原理」
「分解・再統合の原理」は創造の本質であり、創造のプロセスそのものです。
創造とは、ある事物を要素と構造に分解し、その要素と構造を違うものに
差し替え、再統合することです。言うなれば、リ・セット(reset)です。
たとえば、ある意味をもつ物語をその構成要素である文章や語句にまで
バラバラに切断し、また、他の物語からもバラバラにして取り出した文章や
語句を混ぜ合わせて加減することによって、新しい意味をもった、これまで
とは異なる物語に組み替えることです。手に入れた色々な資源を分解し、
新しい目的と機能をもったものに再統合することです。
第五章で説明した「新陳代謝」とは、生き物やシステムの古い部分が
抜け落ちて新しい部分が組み込まれる変化の様子を表現したものですが、
実は、ここでいう「分解と再統合」の一例なのです。
「生き続ける」とは、「成長している」ことです。
「成長している」とは「新陳代謝がある」ことであり、「分解と再統合」という
「創造活動が行われている」ことを意味しています。
これは経営革新、新商品開発、デザインの変更、組織の再構築、人材配置・
工場配置の組み換え、そして発想の転換や固定観念の見直しなど様々な
創造の場面で用いている原理です。
● 企業を経営する者は、自分の企業が成長し続けてほしいと願います。
企業の成長持続においては、この創造こそがキーワードです。
□ 創造とは、事象のもつ機能を要素と構造に分解し、再統合することである
●【事象】事実と現象
●【機能】物のはたらき。相互に連関し合って全体を構成している各因子が
有する固有な役割。また、その役割を果たすこと。作用。
●【要素】①事物の成立・効力などに必要不可欠の根本的な条件。
②それ以上簡単なものに分析のできないもの。
●【構造】①いくつかの材料を組み立てて、1つのものにこしらえること。くみたて。
②全体を構成する諸要素の、お互いの対立や矛盾、または依存の関係などの
総称。
●【分解】①一体をなすものを個々の要素に分けること。また、分かれること。
②合成物がその構成要素に分かれること。
③化合物が2種以上の物質に分離すること。
●【統合】1つ以上のものを1つに統(す)べ合わせること。統一。
●【統べる】個々のものを一つにする。別々のものをまとめる。
□ 事象を「システム」であると見なすことによって、創造的発想の幅が
でてきます。
●【システム】①組織。制度。②系統。体系。
●【システム家具】さまざまな機能を持つ家具・調度類を相互に関連づけ、
合理的に系統化した一式の家具。システム・キッチンの類。
●【組織】①組み立てること。
②織物で緯(よこ)糸と経(たて)糸とを組み合わせること。
③[生]ほぼ同形・同大で、働きも似通った細胞の集団、集まって器官を
組み立てる。動物では、上皮組織・結合組織・筋肉組織・神経組織、
植物で柔組織・表皮(組織)などがある。
④社会を構成する各要素が結合した、有機的な働きを有する統一体。
また、その構成の仕方。
□ 畑村洋太郎「創造学のすすめに」講談社よると
「事象=全体構造=部分構造(要素、関係)、関係⇒機能」
●事象を一つの全体構造を持つもの(システム)として認識する。
●全体構造(システム)は、もったいろいろな構造をもった部分(システム)が、
ある関係でまとまったものである。
●この部分構造(システム)は、さらにそれを構成する要素と要素がある
関係でまとまったものである。
●全体構造(システム)は、ある機能を持っている。
したがって、これまでにない新しい機能を生み出すには、その逆をやればいい、と。
□ 経営革新は経営創造である
●革新は、「変える」ことであり創造の1つですから、経営革新は経営創造と
いえます。
●変えるとは、何を加え減らし、そして何と何をどのように組み合わせるかを
意味します。
「こうすれば、こうなる」・「こうなれば、こうなる」という因果的論理に基づいて
要素と要素に「つながり」をつけていくのです。
●因果的論理は、経営プロセスでは、【考え方→仕組み→プロセス
→活動(動作)→結果→影響】というふうに源流工程から下流工程へと流れていく。
この下流工程から源流工程へと丹念に遡って要素と構図の組み合わせを変えて
いく。その創造過程によって、経営革新が達成されるのです。
以上






