□ 第四の原則 「気持よさの原則」
第一の原則は「意欲・目標の原則」でした。「成長しよう」という意欲、
「やればできる」という強い信念、そして成長のための明確な目標を
持つこと。
第二の原則は「意味解釈の原則」でした。私たちは事実そのものでは
なく、事実に関する自分の解釈、見解、ものの見方・考え方で行動
するということ。
第三の原則は、「必要条件整備の原則」でした。成功するには、成功の
条件を整えなければならないということ。
第四の原則は、「気持よさの原則」です。お客様に選び続けられるための
原則です。「気持よさ」「心地よさ」をお客様に感じてもらえる商品(製品や
サービス)を提供すれば、「何回も買い続けてもらえる」ということです。
「気持いい」を創造する企業の条件は何か?
a.加害者にならない(社会的責任)
b.役に立つ小さな親切をする(社会貢献)
c.役に立つ大きな親切をする(顧客本位)
d.共に働く者の幸せを願う(社員重視)
e.自社のみの、独自な商品(製品・サービス)を提供する(独自能力)
●企業における創造性は、お客さまの「気持よさ」を創りだすことである
企業の利益はどのようにしてもたらされるか。企業の利益は、その企業
の製品やサービスを買ってくださったお客様からいただいたものである。
企業活動に携わる全員が、お客さまの気持よさに創造性を発揮するときに、
利益がうまれる。人がお客さまは、物やサービスを買う場合に、「自分の
気持よさ」「自分の心地良さ」を求めている。
●五感+第六感で「気持いい」
*人の感覚器官には、眼・耳・鼻・舌・身の5つの器官があり、それらの
感覚を統合する意識という第六感があるという。美しい色や形・癒しの音・
うっとりする香り・とろけるようにおいしい味・さわやかな肌触り、そして
心が“気持いい”と感じる。
●お客様が、また買いに来てくれる、お客を連れてきてくれる
*千客万来・商売繁盛の源は、お客さまの「気持いい」という感想、
感覚の記憶である。ビジネスにおける「顧客接点」で、お客様に
その記憶を残すことができれば、「また買いに来てくれる」「他のお客様
を連れてきてくれる」という好循環ができる。長く買い続けてくれるのである。
*「信頼→満足→感動→感謝」ビジネスにおける成功の条件は、お客様
から信頼を勝ち取ることから始まる。
●MOTサイクルの改善が決め手となる
*お客さまの「気持ちよさ」は、お客様と企業とのあらゆる接点での
接触によって生まれる。Moment of Trouth(真実の瞬間)とは、お客様と
企業との接点で、お客様が「気持ちよさ」を感じる瞬間のことをいいます。
このお客さまの「気持よさ」が生まれる真実の瞬間を大事にし、そこに、
経営トップをはじめ全社員が意識を注ぎ、そこで何が起きているかを
見極め、聞き取り、感じ取って、そこを改善し続けていくことを、MOT
サイクルを回すといっています。
*最近「ブランド戦略」を大切にする企業が増えていると聞きます。競争
戦略の目標は、お客様に、「その企業は、私にとっても社会にとっても
必要な企業だ」と思われることです。
ブランドの形成は、単にマスコミ広告を派手にすることではありません。
企業のすべての接点での顧客との接触で「気持いい」と思っていただく
ことが本質です。気持ちよさを実感した顧客が、他の顧客に「口コミ」を
して、評判を裏づけていくのです。
●お客さまの困っている問題を解決する~希少性・独占性・即時性~
*松下幸之助氏は、「お客さまの“困った”を解決して、お金をいただく」
との名言を残しています。
お客様は「ドリル」を買うのではなく、ドリルによって開けられた「穴」を買う、
言葉もあります。
*お客様が「いますぐ、困ったことを解消したい」と思えば思うほど、納期に
対する希望が強く、「即時性」の要求が強い。
その問題解消の機能を必要最小限を満たしていれば他の条件にはこだわら
ない、あまり「値引き」はしないものです。むしろ、「急いでいるのでチップを
弾む」ことすらあるのです。
*その商品は、その企業、その店でしか手に入らない、ということであれば、
つまり「希少性」が強ければ強いほど、お客様は「また、その企業、その店
から、買ってくださいます」。
ここで、「希少性」というのは、そのお客さまの好みに合ったものは、そこに
しかないという意味も含まれています。究極の商品は、「そのお客様一人
ひとりに“ぴったり”と合った商品」ということだと思います。この場合もあまり
「値引き」の要求はありません。
*そして、特許などにより保護されている制度をうまく活用すれば、「独占性」
の甘味を許された範囲と期間だけ、享受できます。国家レベルで法律によって
「独占性」を認める事業は、値引き要求はありません。また、M&Aなどを行って
戦略的に事業者の数を減らしていくニュースが、毎日世界のどこかで起きて
います。
需要と供給のバランスを自らの力でコントロールできるようになれば、「独占性」
は完成します。しかし、人類の知恵で「長くは独占性を認めない」仕組みが発達
します。
●正しい欲求と歪んだ欲望
*お客さまのニーズを大切にすることにも、おのずから条件があります。
お客さまのニーズには「人間として自然な欲求」から「歪んだ病的な欲望」
まであります。
その幅のあるお客さまのニーズをすべて満たすことは経営資源や技術的
にまず、ムリがあります。絞り込むことが大切です。それと同時に、法令で
禁止されたもの、「歪んだ病的な欲望」を満たすことは、社会的責任の
視点から好ましくありません。社会の倫理観は少しずつ変化していきます。
よくその変化を注視して、経営の軸を合わしていかなければなりません。






