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人事・労務の手引き ブログを引っ越しました

ご存知ですか?「パートタイマー均衡待遇推進助成金」
管理・監督者、大丈夫ですか??
パートタイム労働法が変わります!
退職予定者に対する賞与
H19年 年末調整に関する改正点
大丈夫ですか!? 割増賃金!!
雇用保険法・厚生年金保険料率が変わります!
雇用保険法が変わります!(1)
労働紛争の現状と対策
算定基礎(定時決定)
社会保険&雇用保険の改正点
「中小企業定年引上げ等奨励金」を創設
確定申告 ~はじめての方へ~
個人情報の取り扱いについて
男女雇用機会均等法を考える
人事・労務に関する『時効』
メンタルヘルスケアの必要性
解雇に関するトラブル急増!!
御社は「労働時間」についてどのようにお考えですか?
「衛生管理者」について
安全衛生管理について
人事、労務管理について

ご存知ですか?「パートタイマー均衡待遇推進助成金」
2008/07/24

平成20年4月1日から改正パートタイム労働法が施行されました。

この法の概要については以前ご紹介させていただきましたが、正社員と同視すべきパートタイマーの差別的取り扱いの禁止、それ以外のパートタイマーに対する均衡配慮義務など、パート労働者を雇う会社側の従来のメリットを減少させて会社の負担が増加することが予想されます。実際「社員同一視」パートタイマーが多いところでは高コストを招いて、結果、雇用を削減せざるを得ないのではといった懸念も生じているようです。

一方で、優秀な人材確保の一端としてパート労働者を正社員化する制度を導入したり、パート労働者の育成や処遇を勘案して新たな人事制度を構築しようとされている会社もあるようです。

そこで今回はそんな事業主さまのために、この法改正に伴う助成金についてご案内したいと思います。パート労働者のやる気を引き出し会社の活性化に繋げていただく為にも、ぜひご利用されてはいかがでしょうか。

◆◇◆ パータイマー均衡待遇推進助成金 ◆◇◆
○支給メニューと支給額

支給対象メニュー                                   支給額
                                          第1回目 第2回目
①正社員と共通の処遇制度の導入                     25万円  25万円
②パートタイマーの能力・職務に応じた処遇制度の導入         15万円  15万円
③正社員への転換制度の導入                        15万円  15万円
④短時間正社員制度の導入                         15万円  15万円
⑤教育訓練制度の導入                            15万円  15万円
⑥健康診断制度の導入                            15万円  15万円

※正社員がいることが必要です。
※対象パート労働者の1/2以上が雇用保険被保険者であることが必要です。(③⑥除く)
※就業規則または労働協約に規定することが必要です。
※申請は、(財)21世紀職業財団地方事務所で受け付けています。

いずれのメニューも支給は一事業主当たり一度限りで、2回に分けて支給されます。
平成19年7月1日以降に新たに制度を設けて、2年以内に対象者が出た場合に第1回目が支給、第2回目は第1回目の対象者が出て6ヶ月後に、その対象者が継続して雇用されている場合に支給されます。

中小企業様ですと①正社員と共通の処遇制度や②パートタイマーの能力・職務に応じた処遇制度の導入などは難しいかもしれませんが、少人数の長期パート労働者がいらっしゃるような会社では⑥健康診断制度などは導入しやすいのではないでしょうか。

◆◇◆ 助成金について ◆◇◆
「助成金」とは、融資などとは異なり返済の必要はありませんし、申請し条件を満たしていれば当然に事業主に支給されるものです。しかし残念なことにこれらの制度はあまり知られておらず、申請には細かい要件や多くの添付書類が必要とされるなど、非常に面倒で利用しにくいのが実情です。また、種類が多すぎて自分の会社が該当するのかどうかが不明なことも多いようです。

管理・監督者、大丈夫ですか??
2008/05/24

ここ最近、新聞紙上をにぎわしている「管理監督者」。
私が担当する事業所さんからも「課長以上は『管理職』なので残業代は支給していません。」といった話をたびたび伺った経験がございます。
「管理監督者は、労働基準法に定める(1)労働時間、(2)休憩、(3)休日に関する規定の“適用除外者”である」旨が、同法41条2号に定められています。
はたして「管理職」としての扱いで処理することは可能なのでしょうか。

◆◇◆管理監督者とは◆◇◆
通達上の解釈として「管理監督者」は、一般的には、部長、工場長、など労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にあるもののことで、名称にとらわれず、実態に即して判断すべきものである、とされています。
 
では実態に即した判断基準はどういったものになるのでしょうか。
 
◆◇◆管理監督者の判断基準◆◇◆
①経営者と一体の立場で仕事をしていること
経営及び従業員について管理的立場にある者であって、一般労働者を経営者に代わって指揮監督する者、又は同等のスタッフ職のものである。

②勤務時間について厳格な制限を受けていないこと
労働時間・休暇・休日について厳格な拘束を受けず、自己判断によって出社、退社、休憩を取ることができる者。

③その地位にふさわしい待遇がされていること
基本給や役職手当、賞与の支給率等において、その地位にふさわしく、他の一般労働者と比較して高い処遇がされている。割増賃金が支払われる労働者と比べて相当程度の格差がある。

◆◇◆管理監督者を争点にした裁判例◆◇◆
実際の判例においての具体的基準とはどういったものでしょうか。
判例① 事件名 レストラン・ビュッフェ事件(昭和61.7.30大阪地判)   
    地位  店長
 ・店長としてコック等の従業員6~7名を統制し、採用にも一部関与し、売上金も管理等をまかせられ、店長手当(2~3万円)の支給を受けていたがスタッフの労働条件は会社が決定していた。
 ・店舗の営業時間中は完全拘束され、出退勤の自由は無かった。
 ・仕事内容が店長職以外にコック、ウェイター、レジ係等全般に及んでいた。
 ⇒管理監督者ではない。

判例② 事件名 サンド事件(昭和58.7.12大阪地判)
    地位  課長
 ・課長として決定権を有する工場長を補佐するが、重要な事項の決定権は無く、役職手当としての支給はあるが従来の時間外手当より少なかった。
 ・タイムカードにより勤怠管理を受け、時間外勤務には工場長代理の許可を要していた。
 ⇒管理監督者ではない。

判例③ 事件名 医療法人徳州会事件
    地位  人事課長
 ・看護士の募集業務の全権を任され、責任者として自己判断において採用計画、配置転換などの行動計画を実施する権限があった。
 ・課長職として責任手当、特別調整手当が支給されていた。
 ・タイムカードを打刻してはいたが、実際の労働時間は自由裁量に任されていた。
 ⇒管理監督者である。

管理監督者の取り扱いについては立法当時、管理職はあまり働かないことを想定していたようです。「重役出勤」という言葉があったことを、思い出してもらえるとイメージがつかめると思います。しかし、社会情勢も変化し現状として、管理監督者の取り扱いが認められるのは、裁判例からするとごく限られた者についてのみです。ですので、実態に即した形で、「管理職」への扱いを見直してみてはいかがでしょう。

◆◇◆深夜割増・年次有給休暇は必要です◆◇◆                  
管理監督者の労働時間管理が困難であるとの理由から、実際、深夜割増賃金を支払っている事業所は少ないと思います。しかし、深夜割増賃金(22時~5時)の支払いは必要です。実務上の対応としては、役職手当等の中に「深夜割増手当(○○時間分)を含む」旨の規定を就業規則上に盛り込むことをお勧めいたします。この場合、○○時間相当分の深夜割増賃金を支払わなくてもよいという扱いが可能です。           
また年次有給休暇の規定も適用されますので、この点も注意してください。

パートタイム労働法が変わります!
2008/02/20

少子高齢化、労働力人口減少社会で、パート労働者が能力を一層有効に発揮することができる雇用環境を整備するため、パートタイム労働法が改正されました。
改正パートタイム労働法を遵守するには、企業は何をすればよいのでしょうか?

パートタイム労働者とは
「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」をいいます。「パート」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「準社員」など呼び方は異なっても、この条件に当てはまる労働者であれば、「パートタイム労働者」としてこの法の対象になります。

◆◇◆ 改正のポイント ◆◇◆
①雇い入れの際、労働条件を文書などで明示 <改正法第6条>
②待遇の決定に当たって考慮した事項についての説明が義務化 <改正法第13条>
③パートタイム労働者の差別的取扱いを禁止 <改正法第8条>
④正社員登用制度を導入すること <改正法第12条>
⑤苦情処理・紛争の自主的解決 (努力義務)

①労働条件通知書並びに雇用契約書を交付しましょう
パートタイム労働者を雇入れる際に、労働条件通知書並びに雇用契約書を作成して提示・取り交わしをしておきましょう。

今回の改正法により、労働基準法で文書交付を義務付けられている事項に加え、昇給、退職手当、賞与の有無についても文書(パートタイム労働者が希望した場合は電子メールやFAXでも可能)による明示が義務付けられました。
<<これに違反すると10万円の過料が処せられます。>>

②雇い入れ後も待遇について説明をしましょう
雇い入れた後も、パートタイム労働者から求められたときは、待遇の決定に当たって考慮した事項を説明しなければならなくなりました。

<<説明義務が課せられる事項>>
●労働条件の文書交付等●就業規則の作成手続●待遇の差別的取扱い禁止●賃金の決定方法●教育訓練●福利厚生施設●正社員への転換を推進するための措置

③パートタイム労働者に均衡のとれたな待遇を確保しましょう
期間の定めのない労働契約(反復更新により、期間の定めのない労働契約と同視することが社会通念上相当と認められるものを含む)を締結している者のうち、その職務内容及び配置の変更の範囲が通常の労働者(いわゆる正社員)と同一であると見込まれるパートタイム労働者に対して、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用などについて、パートタイム労働者であることを理由に差別的に取り扱うことが禁止されました。差別的取扱いを行わないよう、現状のパートタイム労働者の実態を把握・分析して早急に見直しましょう。

④ 正社員登用制度を導入しましょう
正社員への転換を推進するため、次のような措置を講ずることが義務化されました。

●正社員を募集する場合、その募集内容を既に雇用しているパートタイム労働者に対して周知する。
●正社員のポストを社内公募する場合、既に雇用しているパートタイム労働者にも応募する機会を与える。
●パートタイム労働者が正社員へ転換するための試験制度を設けるなど、転換制度を導入する。

⑤苦情の申し出に対応しましょう
今回の改正で事業主が措置を講じることが義務化された事項について、パートタイム労働者より苦情の申出を受けた時は、自主的に解決するよう努力義務が課されました。

<<対象となる苦情>>

●労働条件の文書交付等●待遇の決定についての説明●待遇の差別的取り扱い禁止●職務の遂行に必要な教育訓練●福利厚生施設●正社員への転換を推進するための措置

これらの苦情を解決するために、会社を代表する者と従業員を代表する者とで構成する苦情処理機関を設けることをお勧めします。男女雇用機会均等法でもこの苦情処理機関について定義されていますから、これらの苦情を合わせて解決する機関として設置・運営すると効率的ではないでしょうか。

◆◇◆ 事業主・総務担当の方は規定や就業規則の見直しを!! ◆◇◆
今回の改正パートタイム労働法において、「契約期間」が正社員とパートタイム労働者を区分する要件の一つになっています。「期間の定めのある契約」であっても、実質的に「期間の定めの無い契約」と認められると正社員と同視され、大幅な待遇面の見直しが求められます。契約更新を行う場合には再度、「契約期間」「更新及び雇い止めに関する基準」などを明確にしておき、自動更新は避け通知書を再度発行するという基本的な対応が重要になってくるでしょう。事業主や総務担当の方は現状の人事労務管理を早急に見直し、正社員登用制度など規定化し運用していきましょう。

また就業規則に関しても、正社員用は整備されていても、パートタイム用就業規則は未整備という企業は多いのでないでしょうか。ほとんどの就業規則はパートタイム労働者を対象外として取り扱っていますから、これでは対応しきれません。就業形態が複雑化、多様化する中で、正社員とパートタイム労働者との違いを明確に区分することが求められます。

パートタイム労働者を多く雇用し活用されている企業は少なくありません。だからこそ、パートタイム労働者の就業に関して明確なルールを策定し周知徹底しておく必要があるのです。パートタイム労働者の働く意欲を低下させないためにも、この機会に改正法に合わせて就業規則の見直しや正社員登用制度規定を策定されることをお勧めします。

退職予定者に対する賞与
2007/12/27

例年今頃の時期(12月)に冬期賞与を支給される会社は多いのではないでしょうか。
その際に、「辞める予定の従業員に賞与を支払うのがもったいない」と思う時は無いでしょうか?実際に「賞与を待って従業員が退職」というパターンを経験されている事業主様は少なくないと思います。
もはや退職のタイミングを「賞与を待って退職」という考え方が世間一般には浸透している感じもあり、退職する従業員と事業主との間で「払う・払わない」のトラブルになるケースがあります。
そこで、こういった場合の賞与の法的扱いについて以下で検討していきます。


◆◇◆ 賞与の法的性質 ◆◇◆
賞与は、就業規則や労働協約で支給基準を定めていれば、労働基準法上の賃金にあたります。つまり、賞与は法律上当然に使用者が支払義務を負うものではなく、就業規則などにより支給基準が定められている場合や、確立した労使慣行によりこれと同様の合意が成立していると認められる場合(就業規則などに明記はされていなくても、実際は決まった時期に賞与が支払われている状態が何年も続いている場合など)に、労働契約上支払い義務を負うものです。
 例えば、パートタイマーなどの非正規従業員の場合は賞与が支払われないことも少なくないと思われますが、それは労働契約において、正規従業員にしか支給しない旨が定められているからです。

◆◇◆ 退職者に対する扱い ◆◇◆
それでは、賞与計算の対象期間の全部または一部を勤務したにもかかわらず、支給日前に退職した者に賞与を支給しないという取扱いはどうでしょうか。
[例]
夏期賞与の計算(評価)期間 10月1日~3月31日
冬期賞与の計算(評価)期間 4月1日~9月30日
 賞与の支給日 夏期を6月 、冬期は12月
           ↓ 上記条件にて…
 4月1日に入社し、11月25日に退社した場合。
(冬期賞与の計算(評価)期間は全期間在籍していたが、支給日である12月には在籍していない状態)

賞与が労働基準法上の賃金だとすれば、労基法第24条の賃金全額払いの原則(※)に反するかどうかの部分での問題が出てきますが、判例では支給日在籍条項の定め(「支給日に在籍していなければ賞与は支給しない」旨の定め)を合理的なものと認めているケースが多く(大和銀行事件 最高裁一小判 昭57.10.7)、支給日に労働者が退職している場合には賞与を支給しなくても問題は無いと解する判断が一般的な傾向です。
 ただし、こうした規定は労働者が退職の日を自由に選択できる自己都合退職者についてのみ有効とする説もあります。たとえば、定年や人員整理(リストラ)等の会社都合による退職の場合には、労働者は退職日を選択することができず、不利益を被ることがあるからです。したがって、支給日在籍条項は、労働者の自己都合退職の場合だけに合理性がある(問題が無い)と考えるのが安全です。
 また、支給日在籍要件でいう「支給日」とは、賞与が支給される予定の日であり、現実の支給が遅れたり、あるいは使用者が故意に支給を遅らせたりした場合には、仮に現実の支給日前に退職したとしても、支給予定日に在籍していれば賞与を受け取る権利はあるものと考えられます(須賀工業事件 東京地裁 平12.2.14)。

 ※賃金全額払いの原則 
賃金は,その全額を支払わなければならない。ただし,法令に別段の定めがある場合(所得税の源泉徴収,社会保険料の控除など)や,労働者の過半数を代表する労働組合又は代表者との書面による協定がある場合には,賃金の一部を控除して支払うことができる、という決まり。

◆◇◆ 事前に押さえておくべき点 ◆◇◆
まずは就業規則に「支給日在籍条項」があるかの確認が必要です。もしそういった条項が無いようなら、早急に手を打たないと労働者とのトラブルの元になる可能性があります。

賃金問題を含む労務問題は基本的にトラブルにまで発展すれば会社側が負けるケースが大半です。そうならないうちに事前に就業規則の見直しはもちろんのこと、社内における日ごろからのコミュニケーションの見直しなどの対応策を打ち出しておきましょう。

H19年 年末調整に関する改正点
2007/11/29

そろそろ年末調整の時期がやってきました。今回は年末調整に関する改正点について取り上げます。
◆定率減税の廃止・所得税の税率の改正
◆地震保険料控除の創設(損害保険料控除の改組)

◆◇◆ 定率減税の廃止・所得税の税率の改正 ◆◇◆
①定率減税の廃止
定率減税は景気対策のために暫定的な税負担軽減措置として平成11年に導入されましたが、経済状況の改善等を踏まえて今年分から完全に廃止されます。

②所得税の税率改正
国税(所得税)から地方税(住民税)への税源移譲が行われたこと等を踏まえ、今年分の所得税から税率構造が5%~40%の6段階に変更されています。
今年は定率減税廃止に加えて税源移譲後初めての年末調整となるため、これまで還付額が大きかった方にとっては、予想外の年末調整結果になるかもしれません。社員様に対する事前アナウンスを徹底しておくことをお勧めいたします。


◆◇◆ 地震保険料控除の創設(損害保険料控除の改組) ◆◇◆

昨年までの損害保険料控除制度が改組され、地震保険料控除とされました。従来の損害保険料控除の最高が15,000円であったことに対し、この地震保険料控除は最高50,000円となっています。控除できる保険料額が増えたこともありますので、社内での事前案内を行い、各保険会社等が発行する証明書の提出漏れがないように注意して下さい。

※この改正には経過措置が設けられており、以下の一定の要件を満たした長期損害保険契約等に係る損害保険料については、旧長期損害保険料として地震保険料控除の対象とすることができます。

※[長期損害保険料経過措置の一定の要件](次のすべてに該当するものに限る)
①平成18年12月31日以前に締結した契約(保険期間または共済期間の始期が平成19年1月1日以後のものは除きます)で保険期間又は共済期間の満了後に満期返戻金を支払う旨の特約のある契約その他一定の契約であること
②保険期間または共済期間が10年以上の契約
③平成19年1月1日以後にその損害保険契約等の変更をしていないもの

また、長期損害保険契約等と地震保険契約を別々で行っている場合は、それぞれの方法で計算した金額の合計額(最高5万円)が地震保険料控除の額となります。ただし、一つの契約が地震保険料と旧長期損害保険料のどちらにも該当する場合には、どちらか一方を適用することになっています。「長期損害保険料は廃止された」と取り扱うのではなく、添付書類等で注意深く判断して下さい。

◆◇◆ 税源移譲に伴う住宅ローン控除の取り扱い ◆◇◆

一般的に住宅ローン控除の適用を受ける方は、年末調整の際に所得税の還付となる方が多く、徴収済税額の全額が還付されることも少なくありません。今年はこのような全額還付の方については特に注意が必要です。所得税から住民税への税源移譲に伴い、一般的には徴収している所得税額が少なくなっており、還付額も例年に比べて小さくなっているからです。本来受けられるべき住宅ローン減税額が減少する事例が発生する可能性があります。このため住民税に特例措置が設けられ、本人の申告により住民税が軽減されます。この措置は、対象者本人が市区町村長に対し「市町村民税及び道府県民税住宅借入金等特別税額控除申告書」を各年度の提出期限まで(平成20年は3月17日(月)まで)に提出して適用を受けることができます。これは所得税の確定申告書を提出される場合には、管轄の税務署長を経由して提出することができます。詳細は、居住地の市区町村へ確認して下さい。なお、この制度は平成18年末までに入居した人に限って適用されることとなっていますのでご注意ください。

以上のように、今年の年末調整は事前の社内アナウンスが大切です。総務担当の方は、住宅借入金等特別控除適用者の最終の年税額がゼロになっている場合には特に注意して案内をするようして下さい。

大丈夫ですか!? 割増賃金!!
2007/10/26

 近年、労働基準行政における労働時間問題への積極的な取組みが目立っており、特に「サービス残業」対策には力を入れています。このような背景を受け是正勧告(※)において、「法定に満たない割増賃金の支払い・割増賃金の未払い」を指摘してくるケースが増加しています。
※是正勧告とは、一言でいいますと、行政指導です。行政指導だからといって非協力であったりし続けると、労働基準法の違反の罪に問われる場合があります。

◆◇◆割増賃金とは◆◇◆
使用者は、労働者に法定労働時間又は変形労働時間制による労働時間を超える時間外労働、又は深夜労働(午後10時から翌日午前5時までの時間帯の労働)を行わせた場合には、通常の賃金額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。
また、法定休日(1週間で1日、又は4週間で4日の休日)に労働させた場合には、通常の賃金額の3割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。
【注意点】
・割増賃金の計算において、①家族手当、②通勤手当、③別居手当、④子女教育手当、⑤住宅手当、⑥臨時に支払われた賃金、⑦1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金は、算定の基礎から除くことが出来ます。
・管理監督者等(役職名等の判断ではなく、実態による判断となりますので注意が必要です)に関しては、労働基準法の労働時間・休憩及び休日の規定の適用が除外されており、時間外・休日労働分の割増賃金を支払う必要は法律上ありません。(深夜労働に関しては、支払う必要があります。)

◆◇◆割増賃金の計算方法◆◇◆
1時間当たりの割増賃金(割増賃金単価)の計算式を以下に示します。
(1)時間給の場合
割増賃金単価=時間給×1.25(休日労働の場合1.35)

(2)日給の場合
 割増賃金単価=日給/1日の所定労働時間数×1.25(休日労働の場合1.35)

(3)月給の場合
割増賃金単価=月給額/1ヶ月の所定労働時間数(月によって異なる場合は1年間における1か月平均所定労働時間数)×1.25(休日労働の場合1.35)
1ヵ月平均所定労働時間数の算出方法
(365日-所定休日)×1日の所定労働時間数÷12=1ヶ月平均所定労働時間数
うるう年は366日

(4)時間給又は日給に月額の手当がつく場合は、それぞれの1時間当たりの割増賃金額を合算した額となります。
(例)基本給:日給制 皆勤手当:月給制の場合
基本給/1日の所定労働時間数+皆勤手当/1か月平均所定労働時間数×1.25(休日労働の場合1.35)

(5)年俸制による場合
年俸制であっても法定労働時間を超えた分に対しては割増賃金の支払いが必要となります。計算方法に関しては月給制の場合と同様ですが、注意していただく事項として、「年俸の16分の1を月例給与として支給し、16分の4を2分割して6月と12月に賞与として支給する」といった取り決めをする場合がありますが、この場合あらかじめ支給額が確定しているため年俸の支給総額を基礎として割増賃金を支払う必要があります。

◆◇◆固定残業代としての支給◆◇◆
 事業所によっては定額・固定性の残業手当支給といった賃金体系を採用しておられるものと思います。その場合の注意点としては、①賃金に含まれている残業代部分を明確にし、それが何時間分の残業時間に相当するのか明示すること。②実際の残業が、固定残業分を超える場合は、差額分を支払うことです。
(計算例)固定残業代として50,000円支給、何時間分に相当するか?
条件:基本給 300,000円
  :手当 100,000円(内50,000円を固定残業代とする)
  :1か月平均所定労働時間数 160時間
①(基本給300,000円+手当50,000円)÷160時間=@2,187.5
固定残業手当に含まれる時間外労働時間は
固定残業代50,000円÷(@2,187.5×1.25)=18.2時間分に相当
この場合、実際の残業時間が18.2時間を超えた場合、超過分は別途支払う必要があります。

◆◇◆まとめ◆◇◆
今回の計算方法により割増賃金を再計算した結果と現在支給している残業代を比較して、下回ってしまっている場合は差額分を支払う必要があります。この差額残業代に対して是正勧告を受けた場合、過去に遡り不払い分の支払いを要求され、一時に数百万単位の支出を覚悟しなければなりません。このようなリスクを防ぐ意味でも、もう一度適正な残業代の計算を行うと共に根本的な労務管理の見直しが必要なのではないでしょうか。

雇用保険法・厚生年金保険料率が変わります!
2007/10/03

<<雇用保険法の一部が改正されます>>
○ 雇用保険の受給資格要件が変わります。(平成19年10月1日から)
○ 教育訓練給付の要件・内容が変わります。(平成19年10月1日から)
○ 育児休業給付の給付率が50%に上がります。(平成19年3月31日以降に職場復帰された方から)
上記のうち、教育訓練給付・育児休業給付に関しての詳細は前回の情報誌の通りとなっております。
今回は、基本手当(失業給付)の受給資格要件の変更点に関して説明させていただきます。

◆◇◆基本手当の受給資格要件の改正◆◇◆
○ 現行の被保険者区分は「短時間労働被保険者(週所定労働時間20時間以上~30時間未満)」と「短時間労働被保険者以外の被保険者(一般被保険者)」に分かれていますが、就業形態の多様化が進んでいることを踏まえ、改正後はこの2つの区分が一本化されます。
○ 上記被保険者区分の一本化に合わせて、受給資格要件も一本化されます。基本手当を受給するためには、離職日以前に一定の被保険者期間が必要となりますが、今回の改正において、被保険者区分ごとに異なっていたこの受給資格要件の期間が統一されることになりました。要点としては、以下の3点となっています。
①被保険者期間の統一
現行の一般被保険者については、離職日以前1年間に被保険者期間を通算して6ヶ月以上必要とされていますが、この要件が、離職日以前「2年間」に通算して「12ヶ月以上」に変更されます。
②賃金支払基礎日数の統一
上記の被保険者期間を計算する際、現行の短時間労働被保険者については、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上の月を1/2ヶ月として計算していました。また、現行の一般被保険者の場合は、14日以上を1ヶ月と計算していました。改正後は、「11日」以上を「1ヶ月」として計算することに統一されます。
③特定受給資格者に対する要件緩和
以上の要件の変更は、短期間での安易な受給の繰り返しを防ぐため、自己都合による退職者に限っての要件変更であり、倒産・解雇等の理由により離職した特定受給資格者については、被保険者期間については「6ヶ月以上」、賃金支払基礎日数については「11日以上」必要となります。
特定受給資格者の詳しい条件につきましては、ⅰ「倒産」等により離職した者・ⅱ「解雇」等により離職した者・ⅲ被保険者期間が6ヶ月(離職前1年間)以上12ヶ月(離職前2年間)未満であって、「正当な理由のある」自己都合により離職した者といった三つの区分に分かれています。なお、「正当な理由のある」自己都合とは、以下の通りです。
(1) 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した者
(2) 妊娠、出産、育児等により離職し、受給期間延長措置を受けた者
(3) 父若しくは母の死亡、疾病、負傷等のため、父若しくは母を扶養するために離職を余儀なくされた場合又は常時本人の介護を必要とする親族の疾病、負傷等のために離職を余儀なくされた場合のように、家庭の事情が急変したことにより離職した場合
(4) 配偶者又は扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となったことにより離職した場合
(5) 次の理由により、通勤不可能又は困難となったことにより離職した者
・結婚に伴う住所の変更
・育児に伴う保育所その他これに準ずる施設の利用又は親族等への保育の依頼
・事業所の通勤困難な地への移転
・自己の意思に反しての住所又は居所の移転を余儀なくされたこと
・鉄道、軌道、バスその他運輸機関の廃止又は運行時間の変更等
・事業主の命による転勤又は出向に伴う別居の回避
・配偶者の事業主の命による転勤若しくは出向又は配偶者の再就職に伴う別居の回避
など

以上、今回の改正は自己都合による退職者には要件は厳しくなり、会社都合等による退職者にはやや緩くなったと言えるでしょう。また、今回の改正をうけ、実務的にも以下の点で影響が出てくるものと思われます。
①基本手当受給までの期間延長
今回の改正により、自己都合による離職に関しては、通算して原則12ヶ月以上被保険者期間が求められるようになります。複数の離職による基本手当の受給資格を判断するために、辞めてから1年以上も経っている退職者から離職票の作成を依頼される可能性もありますので、退職時には受給資格を満たさない被保険者の場合でも、原則、離職証明書を作成しておかれたほうが良いかと思います。
②離職理由による労使間の争議の増加
上記6ヶ月以上12ヶ月未満という比較的勤務期間の短い被保険者の離職については、離職理由により基本手当の受給の可否が分かれるので、離職理由に関する労使間の意見の食い違いや、離職理由を「解雇扱いにしてほしい」などといったケースも出てくるのではないかと思われます。
なお上記改正後の要件の適用は、平成19年10月1日以降の離職者が対象となりますので、それ以前の9月30日までの離職者は、改正前の条件で受給資格が得られることになります。

<<厚生年金保険料率が改定されます>>
◆◇◆平成19年9月分からの厚生年金保険料率の改定◆◇◆
  今回、改定された厚生年金保険料率は「平成19年9月分(同年10月納付分)から平成20年8月分(同年9月納付分)まで」の保険料を計算する基礎となります。
 保険料率の改正に伴い、被保険者負担、事業主負担ともに増加いたします。
【厚生年金保険料シュミレーション】
標準報酬月額300,000円の被保険者の場合
現行(14.642%) 9月以降(14.996%) 増加額(0.354%)
折半額 21,963円 22,494円 531円/月
全額額 43,926円 44,988円 1,062円/月

被保険者一人当たりの保険料負担の増加額に関して
月額ベースでは44,988円-43,926円=1,062円(折半負担額531円)
年額換算ですと1,062円×12=12,744円(折半負担額6,372円)の増加となります。


平成16年の法改正により、厚生年金保険料率は平成29年9月まで、毎年、増加改定されることになっています。保険料率は0.354%ずつ毎年引き上げられ、平成29年には18.3%まで引き上げられることが決定しています。

◆◇◆まとめ◆◇◆
前回に引き続き、雇用保険の改正点と厚生年金保険料率の改正をお伝えいたしました。今回の厚生年金保険料率の改正におきまして、給与より控除する社会保険料率の変更を行っていただく必要がございます。各事業所におきまして、控除のタイミング(当月・翌月控除)は異なりますが、給与計算を行われる前に一度確認してみるのもいいかと思います。
またこのような法改正は今後も行われます。改正情報が入り次第、随時、情報誌にてお伝えいたします。

雇用保険法が変わります!(1)
2007/08/21

<<雇用保険法の一部が改正されます>>
○ 雇用保険の受給資格要件が変わります。(平成19年10月1日から)
○ 教育訓練給付の要件・内容が変わります。(平成19年10月1日から)
○ 育児休業給付の給付率が50%に上がります。(平成19年3月31日以降に職場復帰された方
→平成19年10月1日以降に職場復帰給付金の受給資格が生じる方より)

◆◇◆基本手当の受給資格要件の改正◆◇◆
○ 現行の「短時間労働被保険者(週所定労働時間20時間以上~30時間未満)」と「短時間労働被保険者以外の被保険者」の被保険者区分をなくし、基本手当の受給資格要件が一本化されます。
これまでは雇用保険被保険者が離職し、基本手当(失業給付)を受給する際は、一般被保険者については離職日以前1年間に被保険者期間が通算して6ヶ月以上必要とされていましたが、この要件が短時間労働被保険者と一本化され、離職日以前2年間に被保険者期間が通算して12ヶ月月以上必要となります。

※今回は、教育訓練給付や育児休業給付について主にご説明させていただき、次回にて、基本手当(失業給付)の受給資格要件について詳しくお知らせいたします。

◆◇◆教育訓練給付の要件及び内容の変更について◆◇◆
○ 当分の間、本来は「3年以上」の被保険者期間が必要である受給要件を、初回に限り、「1年以上」に緩和します。
○ これまで被保険者期間によって異なっていた給付率及び上限額が一本化されます。(一律20%・上限10万円)
○ いずれの措置も、平成19年10月1日以降に指定講座の受講を開始された方が対象となります。
今回の改正により、当分の間、初めて教育訓練給付の支給を受けようとする方に限り、被保険者であった期間が1年以上あれば教育訓練給付の支給を受けることが可能となりました。ただし原則は、支給要件として被保険者であった期間が3年以上必要ですので、一度教育訓練給付の支給を受けると、その後3年以上被保険者であった期間がなければ支給を受けられないのは従来どおりです。
なお、給付率については、一律、受講のために支払った費用の20%(上限10万円)となりました。

【旧】
   被保険者期間3年以上5年未満 20%(上限10万円)
   被保険者期間5年以上     40%(上限20万円)

【新】
   被保険者期間3年以上   20%(上限10万円)
     (初回に限り、被保険者期間1年以上で受給可能)

上記の改正後の新給付率は、平成19年10月1日以降に指定講座の受講を開始された方に適用されますので、平成19年9月30日以前に受講を開始された方は、改正前の給付率が適用されます。現在支給要件期間5年以上で、受講をご予定の方は、支給割合・上限額が上記の通り引き下げられますので、早めの受講開始をお勧めいたします。また、初回申請者受給期間緩和措置(被保険者期間1年以上で受給可能)も平成19年10月1日以降に指定講座の受講を開始された方が対象となります。

◆◇◆育児休業給付の給付率引き上げ◆◇◆
○ 平成19年3月31日以降に職場復帰された方から、平成22年3月31日までに育児休業を開始された方までの育児休業給付の給付率が、休業前賃金の40%から50%に引き上げられます。
○ 育児休業給付の受給期間と基本手当の所定給付日数の算定基礎期間との調整が実施されます。
育児休業給付には、育児休業期間中に支給される「育児休業基本給付金」と、育児休業が終了して6か月経過した時点で支給される「育児休業者職場復帰給付金」がありますが、今回、給付率が引き上げられたのは、「育児休業者職場復帰給付金」です。「育児休業基本給付金」の支給率は30%のまま変わりません。
【旧】 休業期間中 30% + 職場復帰後6か月 10%
【新】 休業期間中 30% + 職場復帰後6か月 20%

また、現行では、育児休業給付と基本手当の受給には調整規定は設けられていませんでした。今後は改正により、当該育児休業給付の支給を受けた期間については1日単位で、基本手当の算定基礎期間から除外することとなります。算定基礎期間とは、基本的に雇用保険の被保険者であった期間(前事業所における資格喪失と次の事業所における資格取得の間が1年未満であるときは通算可能。ただし、基本手当等の支給を受けた場合は、この支給に係る算定基礎期間は通算されない。)と同じですが、育児休業給付を受けた方は、被保険者であった期間よりも、算定基礎期間が短くなり、将来基本手当を受給するときに所定給付日数が少なくなる可能性がでてきます。この調整は平成19年10月1日以降に育児休業を開始された方が対象で、この問題は、育児休業取得時ではなく離職時に顕在化するため注意が必要です。

◆◇◆その他の雇用に関する変更点◆◇◆
○ 平成19年10月1日から、外国人雇用状況報告制度が新しくなり、すべての事業主の方に、外国人労働者(特別永住者及び在留資格「外交」・「公用」の者を除く)を雇入れまたは離職の際に、雇用状況の届出が義務付けられます。当該外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間等について確認し、厚生労働大臣(ハローワーク)へ届け出ることが必要になります。10月1日の時点で、すでに雇用している外国人労働者については、施行後1年の間(平成20年10月1日まで)に届け出をしなくてはなりません。届出の方法は、当該外国人労働者が雇用保険の被保険者である場合には、雇用保険被保険者資格取得届に必要事項を記載して行うことができます。この届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合には、30万円以下の罰金の対象となりますのでご注意ください。
○ 高年齢雇用継続給付の支給限度額が、8月1日から33万9235円(改正前34万733円)に引き下げられました。支給対象月に支払われた賃金がこの金額を超える場合は支給されなくなりますので、ご注意ください。

◆◇◆まとめ◆◇◆
今回は、教育訓練給付や育児休業給付の改正点を中心に、ご説明させていただきました。基本手当(失業給付)の受給資格要件については、次回の情報誌にて詳しくお知らせしたいと思います。今回の改正点は、受給者にも大きな影響があるものですので、社員の皆様に早めの情報提供をお勧めいたします。

労働紛争の現状と対策
2007/07/24

現在、会社と従業員との間における個別労働紛争が注目されています。
「個別労働紛争」とは、企業の組織再編や人事労務管理の個別化等に伴い増加している、労働関係事項に関する個々の労働者と事業主との間の紛争をいいます。
労働相談の受付件数は年々増加してきており、今後も増加していくことが見込まれています。

◆◇◆ 個別労働紛争解決促進法 ◆◇◆
平成13年10月1日より、「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」が施行され、現在運用状況は下記のようになっています。
◎ 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律施行状況(平成18年度)
1 総合労働相談件数 ・・・ 25,547件 (0.2%増※)
 うち民事上の個別労働紛争相談件数 ・・・ 5,085件 ( 7%増※)
2 助言・指導申出受付件数 ・・・ 119件 (35%減※)
3 あっせん申請受理件数 ・・・ 209件 (13%減※)
 ( ※ 増加率は、平成17年度実績と比較したもの。)
個別労働紛争解決制度については、平成13年10月の法施行から5年半を経過したところですが、この間の人事労務管理の個別化や雇用形態の多様化などの変化を背景に、京都府内8箇所の総合労働相談コーナー等に寄せられた総合労働相談の件数は増加傾向を示しています。
また、平成18年度の助言・指導申出受付件数及びあっせん申請受理件数については前年度の実績より減少しているものの、前年度が制度発足以来最多であること及び全国的な状況からみて高水準で推移していることから、本制度が確実に定着化していると思われます。

◆◇◆ 労働紛争に対する対応策 ◆◇◆
労働紛争に対する対応策としては、「企業内における自主的解決」の促進が一番効果的だと思われます。一旦「訴訟」「あっせん」「調停」等になってしまうと、会社への負担もかかってしまいます。そうなる前に社内であらかじめ相談窓口を作る等の対応を行い、実際に労務紛争が具現化することを防ぐ取り組みが今後必要になってきます。
弊社が従業員様からの相談窓口になり、労務紛争を未然に防止するお手伝いをさせていただくといったサービスも提供させていただいております。会社にとっても企業価値を高める結果になることが予想されますので、ご興味のある方はぜひご連絡ください。後日ご訪問させていただき、詳しい説明をさせていただきます。

算定基礎(定時決定)
2007/06/26

◆◇◆ 算定基礎(定時決定)とは ◆◇◆
被保険者の標準報酬月額(保険料の計算の基礎となるもの)は、資格取得時(通常は入社時)に決定されますが、昇給があったり手当に変動があったりして、給与額が上下することも少なくありません。
そこで年に一度各被保険者の標準報酬月額を実際の報酬(給与)と見合ったものにするため、標準報酬月額の改定が行われます。これを定時決定といい、毎年4、5、6月の3か月間に支払われた報酬の平均を元に計算されます。
この時決定された標準報酬月額は、その年の9月より改定され、原則的には翌年の8月まで適用されます。

◆◇◆ 報酬とは ◆◇◆
社会保険における標準報酬月額の対象になる報酬は、被保険者が事業主から労務の対償としてうけるものであり、金銭、現物を問わないすべての報酬を含むものとなっています。
ただし、臨時に支払われるものや労務の対償といえないもの、3ヶ月を超える期間ごとに支給されるものは報酬には入りません。

◆◇◆ 対象者 ◆◇◆
7月1日時点で在籍している被保険者全員が対象となります。ただし、6月1日から7月1日までの間に被保険者となった人及び7月より9月までのいずれかの月から随時改定を行なわれる人については定時決定は行なわれません。


◆◇◆ 支払基礎日数 ◆◇◆
給与計算の対象となる日数を支払基礎日数といい、この日数が17日未満の月は計算の対象から除きます。

4月 支払基礎日数 30日  対象となる
5月 支払基礎日数 15日  対象外
6月 支払基礎日数 20日  対象となる

支払基礎日数は、日給者の場合は出勤日数がそれにあたり、月給者や週給者の場合は、通常暦日が支払基礎日数になります。
ただし、欠勤控除として給与が差引かれる場合は、その日数は除きます。また、有給休暇は支払基礎日数に含まれます。
なお、パートタイマーの方に関しては一般の労働者とは扱いが異なります。

◆◇◆ 育児休業等を終了した際の改定 ◆◇◆
平成18年7月以降に行われる育児休業等終了時改定については、育児休業等の終了日の翌日の属する月以後3ヶ月間の報酬の支払基礎日数が17日以上ある月分の報酬の平均をもとに決定します。そのため、17日未満の月がある場合には、その月を除いて育児休業等終了時改定を行うことになります。
育児休業等を終了(育児休業等終了日において3歳に満たない子を養育する場合に限ります。)した後、育児等を理由に報酬が低下した場合であっても、随時改定の事由に該当しないときは、次の定時決定が行われるまでの間、被保険者が実際に受け取る報酬の額と標準報酬月額がかけ離れた額になります。このため、変動後の報酬に対応した標準報酬月額とするため、育児休業等を終了したときに、被保険者が事業主を経由して保険者に申出をした場合は、標準報酬月額の改定をすることができます。
なお、事業主はこの申出にあわせて、「健康保険・厚生年金保険育児休業等終了時報酬月額変更届」により保険者に届出をしなければなりません。

社会保険&雇用保険の改正点
2007/03/23

平成19年4月からの社会保険、雇用保険の改正点について、主なものをお知らせいたします。

***** 社会保険の改正点 ********
◆◇◆健康保険の標準報酬月額等級の上限・下限が変わります◆◇◆
政府管掌健康保険の標準報酬月額表は、現在、上限額98万円、下限額9万8千円の全39等級となっていますが、4月より上・下限ともに4等級を追加、上限額を121万円に引き上げ、下限額は5万8千円に引き下げられ、全47等級へと変わります。
これに伴い、現在、報酬月額が100万5千円以上、及び9万3千円未満の被保険者については、現在の標準報酬月額の基礎になった報酬月額に基づいて、社会保険事務所より、4月以降に別途通知があるようですので、新しい等級に該当する被保険者の届出は特に必要はありません。
[現行] 上限98万円・下限9万8千円 全39等級
[改正] 上限121万円・下限5万8千円 全47等級

◆◇◆標準賞与額の上限が変わります◆◇◆
賞与が支給された際の保険料は、標準賞与額(賞与支給額の千円未満を切り捨てた額)に保険料率をかけて計算することとなっています。標準賞与額の上限は、これまで1回につき200万円を上限としていましたが、4月より年間賞与の累計額540万円を上限とすることに変わります。(年度は毎年4月1日から翌年3月31日までです。)
[現行] 1回の賞与額で200万円
[改正] 1年度に受けた標準賞与額の累計額で540万円
※ 4月時点での政府管掌健康保険の保険料率の変更はありません。
(健保料率 82/1000 介護料率 12.3/1000)

◆◇◆出産手当金・傷病手当金制度が変わります◆◇◆
出産手当金および傷病手当金は、従来の支給額である標準報酬日額の6割から3分の2相当額へと引き上げられます。また、資格喪失後(1年以上被保険者であった者対象)6ヵ月以内の分娩時の出産手当金が支給廃止となり、出産育児一時金のみが支給されます。この資格喪失後の出産手当金については、具体的には、平成19年5月11日(出産日の42日前の日が平成19年3月31日)までに出産した方が対象となります。
[現行] 標準報酬日額の6割
[改正] 標準報酬日額の3分の2

◆◇◆任意継続被保険者に対する出産手当金・傷病手当金の廃止◆◇◆
任意継続被保険者への出産手当金の支給が廃止されます。
任意継続被保険者である間に出産予定日以前42日・分娩日後56日の期間に入った場合には、出産育児一時金のみが支給されます。
任意継続被保険者である間に傷病の療養のため労務に服せない期間が生じても、傷病手当金は支給されなくなりました。
[現行] 任意継続被保険者にも出産手当金・出産一時金、傷病手当金の支給
[改正] 出産一時金のみ支給
※ 任意継続被保険者の標準報酬月額の上限は28万円と変わりません。

◆◇◆老齢厚生年金の在職支給停止が「70歳以上の使用される者」も対象に◆◇◆
「70歳以上の使用される者」にも65歳~70歳未満の被用者と同様、賃金(総報酬月額)と老齢厚生年金(月額)の合計額が現役男子被保険者の平均的収入(現在48万円)を上回る場合には、老齢厚生年金の全部または一部の支給停止が行われることとなりました。ただし、昭和12年4月1日以前に生まれた方(平成19年4月1日において70歳以上の方)については適用されません。また、保険料は今までどおり、負担はありません。
[現行] 在職支給停止は70歳未満対象
[改正] 70歳以上の使用される者も全部・一部支給停止対象に


***** 雇用保険の改正点 ********
◆◇◆雇用保険料率が引き下げられます◆◇◆
これにより、今年度の労働保険料年度更新については、平成18年度確定保険料の計算には旧保険料率(一般の事業の場合19.5/1000)を、平成19年度概算保険料の計算には新保険料率(一般の事業の場合15/1000)を用いることになりますのでご注意下さい。
[現行] 被保険者負担は8/1000 (一般の事業)
[改正] 被保険者負担は6/1000 (一般の事業)

◆◇◆まとめ◆◇◆
社会保険、雇用保険ともに4月以降も引続き改正が予定されています。弊社情報誌「人事・労務シリーズ」では具体的な情報がわかり次第、随時お知らせしていきたいと思います。
上記以降の改正で主なものは、次のとおりです。

***** 今後の改正点 ********
<< 社会保険 >>
■ 一部負担金の割合の改正 (平成20年4月より) ■
70歳以上の一般所得者についても、療養の給付にかかる一部負担金の割合が、現行の1割から2割に改正されます。
※現役並み所得を有する方(標準報酬月額28万円以上の方)の一部負担金はすでに昨年から3割に上がっています)
また、現在3歳未満の乳幼児については一部負担金の割合が2割となっていますが、少子化対策の観点から今後は義務教育就学前までに拡大されます。

<< 雇用保険 >>
■ 基本手当の受給資格要件の改正 (平成19年10月より) ■
現行の短時間労働被保険者(週所定労働時間20時間以上~30時間未満)の被保険者区分をなくし、一般被保険者として一本化されます。
一般被保険者の基本手当の受給資格要件について、その離職が倒産等に伴うものである者として厚生労働省令で定めるもの又は解雇その他の厚生労働省令で定める理由により離職した者については、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6箇月以上であることとし、それ以外の者については、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12箇月以上であることとします。また、被保険者期間の計算については、1月間に賃金の支払の基礎となる日が11日以上である期間を1箇月として計算することになります。

「中小企業定年引上げ等奨励金」を創設
2007/02/28

高年齢者の65歳までの安定した雇用を図るために必要な措置(以下「高年齢者雇用確保措置」)はこれまで努力目標に過ぎませんでした。
それが平成18年4月から、実施義務のある制度(改正高年齢者雇用安定法)となっていますので、事業主の方は必要な措置を実施済みであると思います。更に今年4月より高年齢者雇用確保措置に関して現行の「継続雇用定着促進助成金」を廃止し、あらたに常用労働者が300人以下の中小企業のみを対象とした「中小企業定年引上げ等奨励金」が創設される予定となっております。

◆◇◆改正高年齢者雇用安定法(平成18年4月~)◆◇◆
定年(65歳未満のものに限ります)の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、
①定年年齢の引き上げ・②継続雇用制度の導入・③定年の定めの廃止
のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じなければなりません。ただし、事業主が労使協定により、②の対象となる高年齢者に係る基準を定め、その基準に基づく制度を導入した時は、②の措置を講じたものとみなします。
また、高年齢者雇用確保措置に関する特例が設けられており、その特例は以下のものです。
1.定年の引上げ、継続雇用制度の導入などの措置に係る年齢
 平成25年4月1日までに下記の表の通り段階的に65歳に引き上げるものとされております。

平成18年4月1日~平成19年3月31日 62歳
平成19年4月1日~平成22年3月31日 63歳
平成22年4月1日~平成25年3月31日 64歳
平成25年4月1日 65歳


2.事業規模による期限の特例
 大企業の事業主は平成21年3月31日まで、中小企業の事業主(常時雇用する労働者の数が300人以下である事業主をいいます。)は、平成23年3月31日までの間は、事業主が労使協定締結のために努力したにもかかわらず調わないときは、就業規則等により高年齢者に係る基準を定め、基準に基づく制度を導入できることとしました。しかし、この特例も時限措置であるため労使協定において継続雇用の基準を定めることを検討していく必要があります。

◆◇◆中小企業定年引上げ等奨励金(平成19年4月~予定)◆◇◆
①支給対象事業主
 支給対象事業主は、次のイ、ロ、ハ及びニの要件を満たすものとする。
イ、雇用保険の適用事業主であること。
ロ、次のいずれかの措置を行ったこと。
(イ)現在65歳未満の定年の定めを設けており、就業規則等により、65歳以上への定年の引き上げ、又は定年の定めの廃止を行ったこと。
(ロ)就業規則等により65歳以上の定年もしくは、定年の定めを置かない事業を創業したこと。
(ハ)支給申請日において、1年以上継続して雇用されている60歳以上65歳未満の労働者が1人以上いること。
(ニ)企業規模が300人以下の中小企業主であること。
 
◆◇◆まとめ◆◇◆
 以上が平成19年4月より創設予定となっている「中小企業定年引上げ等奨励金」の大まかな内容です。また、「高年齢者等共同就業機会創出助成金」の要件も一部改正が行われます。しかし、両方とも国の平成19年度予算が成立していないため、まだ確定ではありませんので、詳細が確定いたしましたらお知らせしたいと思います。

確定申告 ~はじめての方へ~
2007/02/13

年が明けて何かと慌しい毎日かと思いますが、忘れてはいけないのが2月16日からスタートする所得税の確定申告のために必要な準備です。確定申告直前になって慌てないように、今から準備を行っておいて下さい。確定申告を怠れば、結果として確定申告をすることにより所得税の還付が受けられるケースであったとしても、建前上は脱税行為として疑われる場合もありますのでご注意ください。

◆◇◆はじめに 確定申告とは◆◇◆
確定申告とは、納税者自らが、前年の1月1日から12月31日までの1年間の所得金額とそれに対する税金を計算して申告する制度です。まずしっかりと確認しておかなければならないことは、ご自身が、申告が必要な方か、申告をすることができる方かのどちらに該当するかを判断しておくことでしょう。

◆◇◆確定申告が必要な方とは?◆◇◆
通常会社に勤めながら、家賃や講演料など勤務先から支払われる給与以外に、年間20万円を超える副収入があった方、土日にアルバイトなどで、勤務先以外の別の会社などから給与支払いを受けた方は、確定申告することが義務づけられています。
☆確定申告が必要な方
①給与収入が2,000万円を越える方
②2箇所以上から給与収入がある方
③年20万円超の家賃、原稿料等の所得がある方
④同族会社の役員等で貸付金利子、賃貸料等がある方 ※
⑤不動産、ゴルフ会員権、同族会社株等の売却がある方など
※この同族会社の役員には、役員ご本人だけでなく、役員と特殊関係にある方(社長のご子息の婚約者など)も含まれる点に注意が必要です。

◆◇◆確定申告をすることができる方とは?◆◇◆
所得税の還付申告(=申告をすることができる方)は義務ではありませんので、しなかったからといってとがめられることはありません。しかし、納め過ぎた税金を戻してもらう為には、申告をしないと還付金が受けられませんので、ぜひ確定申告に挑戦してみてください。
☆確定申告をすることができる方
①医療費が10万円を超える方(1家族のうち高所得者からまとめて還付請求すると、税率が高い分よけいに戻ります)
②災害にあった方(災害減免法を使える場合もあります)
災害、盗難、横領により住宅等に損害を受けたりした方
③住宅を取得した方
など

~~ 医療費控除について ~~
<<扶養家族でない遠方の父母の治療費なども一緒に控除できるのでしょうか?>>
この場合、生計を一にしている親族であれば、扶養家族かそうでないかという分類は関係ありません。生計を一にするとは仕送りをして、仕送りで生活をしている場合などがあたります。また自分だけでなく兄弟が分担して仕送りしている場合でも、それぞれが医療費控除を受けることができます。控除は所得の高い方のところに集めた方が節税の効果があります。1家族のうち高所得者から還付請求すると、税率が高い分よけいに戻ってくるでしょう。

<<領収書は絶対条件?>>
医療費控除を受ける場合には、領収書を確定申告書に添付するか、提出する際に提示しなければなりません。これは国税庁が「健康保険組合から送られてきた『医療費のお知らせ』は、医療費の支払の事実を確認することができず、また、『領収した者のその領収を証する書類』にも該当しないので、これにより領収書の代わりとすることはできない」などという厳しい取扱いを明示しているためと思われます。しかし、もし領収書を紛失、またはもらい忘れていたならば、どうすればよいのでしょうか。まずは、早いうちに医療機関に再発行をお願いしてみて下さい。それでも、どうしても領収書が入手できない場合は、「治療を受けた方の氏名」「支払年月日」「支払先(病院名)」「支払金額」などの明細を、例えば家計簿の記録などによって税務署に対して説明し、納得してもらうことが必要になってきます。どうしても領収書が見つからない方も、諦める前に今一度税務署にご相談されてみてはいかがでしょうか。

◆◇◆申告できる期間(申告が必要な方)◆◇◆
期間は、原則、毎年2月16日から3月15日まで、土日を除く平日、と決まっていますが、
一部の税務署では、今年の2月18日と25日に限り、日曜日でも、確定申告の相談・申告書の受付を行っているようですので、お近くの税務署で確認してみてください。申告が必要な方は、この確定申告を期限内にすることを忘れた場合でも、気が付いたらできるだけ早く申告するようにしてください。
期限後申告は、なるべく早めに申告する方が有利です。調査を受けたあとで期限後申告をしたり、申告をしないために税務署から所得金額の決定を受けたりすると、納める税金のほかに無申告加算税がかかる場合があるからです。

◆◇◆申告できる期間(申告をすることができる方)◆◇◆
還付申告の場合は、1月以降の平日ならいつでも行うことができます。
また、3月15日を過ぎた後でも受け付けてくれますし、過去5年間(今年であれば、平成13年分以後の年分)にさかのぼって申告することもできるようになっています。確定申告の期間は混み合いますので、できればそれ以前に、遅れるなら3月15日以降に行けばよいのではないでしょうか。ただし、申告が遅れれば、その分、還付金を手にできる時期も遅れることになります。また、還付申告は、住んでいる場所を管轄する税務署のほか、全国46カ所に臨時に設置される「還付申告センター」でも申告できますし、国税庁ホームページにある確定申告等情報のページから、申告書類をプリントアウトして記入し、郵送により申告することも可能です。

◆◇◆まとめ◆◇◆
今年ある程度、所得税を納める方については、来年の確定申告時に慌てないよう、いまから節税対策を講じておかれてはいかがでしょうか。医療費控除や住宅ローン控除などは、適用要件が数多くあり、実際にお金を支出したことが分かる証拠書類を必要とするため、できれば年頭から各制度を活用する計画を立てたうえで行動するのがベストでしょう。
家族が1年間に医療で支払ったお金の領収書は大切に保管し、コツコツと集めて、医療費控除を適用するための最低ライン10万円超えを狙う準備を始めておかれるのもよいでしょう。その場合、通院や入院時に公共交通機関を使用した費用も一般的に、医療費控除の対象になりますので、その都度、日時、経路、運賃などを細かくメモしておきましょう。ただし、マイカーのガソリン代や駐車料金は、通常、対象にはなりませんので、ご注意ください。

個人情報の取り扱いについて
2006/12/21

◆◇◆個人情報の取り扱い◆◇◆
平成17年4月の個人情報の保護に関する法律の全面施行以来、ご存知の通り、個人情報保護に対する社会的意識は非常に高まってきています。テレビのニュースや新聞などで、個人情報漏えい等に対する“お詫び”を目にする機会も多いのではないでしょうか。
個人情報漏えい等の事件・事故の当事者となることは、会社にとって想像以上のリスクを被ることになり、会社の存続の危機にまで発展することにもなりかねません。今回は、そういう重要な個人情報を取り扱うこととなる人事・総務ご担当者様へ、もし、まだ個人情報保護法対策を進めていらっしゃらない場合の基本的な対策等について解説します。

◆◇◆ここで確認!個人情報とは?◆◇◆
厚生労働省の個人情報の保護に関するガイドライン「雇用管理に関する個人情報の適正な取り扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針」では、「雇用管理に関する個人情報」とは、「企業等が労働者等の雇用管理のために収集、保管、利用する個人情報をいい、その限りにおいて労働者個人に関する全ての情報が該当するものであり、病歴、収入、家族関係のような、機微にふれる情報や本人以外についての情報も含む。」としています。具体的には以下の通りです。

<個人情報に該当するもの>
①個人の氏名、生年月日
②連絡先(住所・電話番号・メールアドレスなど)
*記号や数字の文字列だけなら、特定の個人が識別できないので、メールアドレスだけの情報なら個人情報には当てはまりませんが、氏名・所属先など他の情報と照合することにより、容易に特定の個人を識別できると個人情報に該当します
③防犯カメラやビデオなどに記録された映像・音声情報のうち、個人が判別できるもの
④雇用管理に関する情報(人事考課など)のうち、個人を識別できる情報
⑤社員の家族関係に関する情報、家族についての個人情報 など

<個人情報に該当しないもの>
①企業の財務情報等、法人等の団体そのものに関する情報
②特定の個人を識別することができない統計情報 など
*特定個人を識別できる情報が記述されていなくても、周知の情報を補うことにより特定の個人を識別できると、個人情報となる場合があります。

◆◇◆人事・総務ご担当者様の対策◆◇◆
~~~ 利用目的を具体的に特定する ~~~
雇用管理情報については、収集する個人情報の利用目的を具体的に特定し、その適切な取り扱いが企業に要請されています。 例えば会社が採用活動を行う場合、直接取得、郵送、Webからの送信等、いずれの場合であっても、個人情報の利用目的を具体的に特定する必要があります。
*個人情報を取得した際の利用目的以外の目的で個人情報を利用する場合には、事前に本人の同意を得る必要がありますので注意してください。

<利用目的を具体的、個別的に特定している事例>
①「人事労務管理に関わる諸手続き(社会保険・労働保険等)を行う際に、その目的の限りにおいて使用いたします。」
②「ご記入いただいたご家族の氏名、住所、電話番号は法令に基づく各種手続きのほか、社内規定に基づく各種手当の支給およびにご本人に万一のことがあった際の緊急連絡先としてのみ使用させていただきます。」
③「当適性検査の結果は、今後、社内配置を検討する際の資料としてのみ利用させていただきます。」 など
<利用目的の特定が不十分である事例>
①「当社の事業活動に必要であるため」
②「従業員情報を把握しておくため」 など
 
~~~ 就業規則への追加・同意書の作成 ~~~
また、本採用となった際に提出が必要となる雇用管理情報や、既に勤務している社員等の雇用管理情報についての利用目的の特定は、就業規則等に「個人情報の利用目的」条項を追加し、個別に「雇用管理情報の利用目的に関する同意書」等の文書を作成し、その提出を求めることで対応することができます。ぜひ、検討してみてください。


◆◇◆まとめ 社内の意識改革から◆◇◆
企業の個人情報保護対策に対する社会的意識は、非常に高まってきています。常日頃から、個人情報の重要性や漏えい事件・事故等が起きた場合の会社への影響などについて、十分な社員教育が求められています。また、個人情報保護に対する会社の姿勢を示すためにも、上記のように就業規則に個人情報保護に関する項目を追加し、社員から個人情報の取り扱いに関する誓約書などの提出を求めておかれるとよいでしょう。
もし、まだ個人情報保護対策を始めていらっしゃらない場合には、社員に個人情報の重要性・危険性を説き、会社の個人情報保護方針を明示するなど、社内の個人情報保護への意識改革からスタートされてみてはいかがでしょうか。

男女雇用機会均等法を考える
2006/12/19

◆◇◆男女雇用機会均等法◆◇◆
元々は1972年に「勤労婦人福祉法」として施行されたが、女性差別撤廃条約批准のため、1985年に「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律」として制定され、その際に「男女雇用機会均等法」の名称が生まれたものと思われます。その後、女性に対する労働上の差別をなくすために改正が重ねられました。又、平成18年6月21日に公布された「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律(平成18年法律第82号)」が、平成19年4月1日から施行されます。

◆◇◆改正法のポイント◆◇◆
・男女雇用機会均等法
1 性別による差別禁止の範囲の拡大
(1)男性に対する差別も禁止されます。
 女性に対する差別の禁止が男女双方に対する差別の禁止に拡大され、男性も均等法に基づく調停など個別紛争の解決援助が利用できるようになります。
(2)禁止される差別が追加、明確化されます。
・ 募集・採用、配置・昇進・教育訓練、福利厚生、定年・解雇に加えて降格、職種変更、パートへの変更などの雇用形態の変更、退職勧奨、雇止めについても、性別を理由とした差別は禁止されます。
・ 配置については、同じ役職や部門への配置であっても権限や業務配分に差がある場合異なった配置となり、性別を理由とした差別は禁止されます。
(3)間接差別が禁止されます 。
 外見上は性中立的な要件でも、省令で定める一定の要件については、業務遂行上の必要などの合理性がない場合には間接差別として禁止されます。
2 妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止
(1)妊娠・出産・産前産後休業の取得を理由とする解雇に加え、省令で定める理由による解雇その他不利益取扱いも禁止されます。
(2)妊娠中や産後1年以内に解雇された場合、事業主が妊娠・出産・産前産後休業の取得その他の省令で定める理由による解雇でないことを証明しない限り、解雇は無効となります。
3 セクシュアルハラスメント対策
 職場でのセクシュアルハラスメント対策については、これまでも配慮が求められてきたところですが、男性に対するセクシュアルハラスメントも含めた対策を講じることが義務となります。
 
対策が講じられず是正指導にも応じない場合企業名公表の対象となるとともに、紛争が生じた場合、男女とも調停など個別紛争解決援助の申出を行うことができるようになります。
(注)この規定は派遣先の事業主にも適用されます。
4 母性健康管理措置
 事業主は、妊産婦が保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保するとともに、妊産婦が保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするための措置(時差通勤、休憩回数の増加、勤務時間の短縮、休業等)を講ずることが義務となっています。
 こうした措置が講じられず是正指導にも応じない場合企業名公表の対象となるとともに、紛争が生じた場合、調停など個別紛争解決援助の申出を行うことができるようになります。
5 ポジティブ・アクションの推進
 ポジティブ・アクション(男女間の格差解消のための積極的取組)に取り組む事業主が実施状況を公開するに当たり、国の援助を受けることができます。
6 過料の創設
 厚生労働大臣(都道府県労働局長)が事業主に対し、男女均等取扱いなど均等法に関する事項について報告を求めたにもかかわらず、事業主が報告をしない、又は虚偽の報告をした場合は過料に処せられます。

・労働基準法
女性の坑内労働の規制緩和
 女性の坑内労働について、女性技術者が管理・監督業務を行えるように規制が緩和されます。

◆◇◆まとめ◆◇◆
 以上の点が大まかな改正点となっております、今回の改正において女性の差別を排除するだけではなく、全ての労働者間の差別を無くしていこうという意図がより鮮明なっているものと思われます。また、現行法では、セクシュアル・ハラスメントの現状に対応するには不十分であるとの意見がありましたが(図1・2参照)、今回の法改正にセクシュアル・ハラスメント関連の項目も加わり、可能性も見え始めています。今後、より実効性のあるものになっていくのではないかと思われます。

人事・労務に関する『時効』
2006/10/23

◆◇◆人事・労務における時効◆◇◆
人事・労務に関する時効というと、代表的なものとしては賃金等に関するものがあります。最近では労働基準監督署がサービス残業、長時間労働などの問題点について勧告や指導を強めているという傾向があり、この調査を発端として多額の未払い残業代が発覚し、会社側に支払いが言い渡されるケースもあります(下記の判例参照)。この場合、賃金(未払い残業代)をいつまで遡って支払うのかという問題が生じます。
こういったトラブルに対しては、時効を意識しておかないと誤った管理や運用をしてしまい、更なるトラブルに発展しかねない可能性もあります。

◆◇◆残業代未払いに関する判例◆◇◆
・サービス残業代30億支払い
人材派遣スタッフサービス 幹部ら数人、書類送検へ 大阪労働局

人材派遣会社最大手「スタッフサービス」(グループ本部・東京)が、サービス残業をさせた全国の社員と退職者計約4,000人に対し、過去2年間にさかのぼって総額約30億円の未払い残業代を支払うこととなった。
大阪労働局は同社が組織的にサービス残業をさせた疑いが強まったとして、労働基準法違反(割増賃金不払いなど)の疑いで、持ち株会社「スタッフサービス・ホールディングス」(東京)を家宅捜索。岡野保次郎会長と中山堯社長から数回にわたり事情を聴き、同容疑で法人としてのスタッフサービスと幹部数人を書類送検した。
関係者によると、スタッフサービスの就業規則では労働時間は午前9時から午後5時半までと定められているが、大阪本社で労働時間が実質的に13時間を超え、土曜、日曜の出勤も恒常化するなど全国で長時間労働とサービス残業が行われていたという。
大阪本社は2002年4月から2004年3月までの未払い残業代として、退職者約 230人を含む約400人に計約3億円を支給。スタッフサービスは今後、全国の事業所でサービス残業の実態を調査し、確認できた分から支払うという。
2003年に自殺した大阪本社の元副支店長の男性=当時(32)=の遺族が 2004年4月、「自殺は長時間労働を強いられたため」として、労基法違反の疑いで、スタッフサービスとスタッフサービス・ホールディングスを天満労働基準監督署(大阪市)に告発。大阪労働局が同年5月に東京のグループ本部など3カ所を家宅捜索するなどして勤務実態を調べていた。


◆◇◆労働基準法115条◆◇◆
労働基準法115条において、「この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は2年間、この法律の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合においては、時効によつて消滅する」との定めがあります。
つまり、「賃金請求権」、「災害補償請求権」、「その他の請求権」については2年間の消滅時効、「退職手当請求権」については5年間の消滅時効となります。
なお、健康保険や厚生年金等に関連する事項に関しては、各々の法律に定める時効に従うこととなります。

◆◇◆各請求権に関して◆◇◆
・賃金請求権
そもそも賃金とは、労基法により「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」とされています。
つまりは月給や時給などのように定期的に支払われるものに限らず、時間外・休日労働に対する割増賃金や、有給休暇中の賃金も含まれます。

・災害補償請求権
労基法においては、災害補償として療養補償や休業補償などが定められており、これらの消滅時効は2年間とされています。
ただし、災害補償は実際には労災保険法によって処理されることがほとんどです。
労災保険法における消滅時効期間は、療養(補償)給付・休業(補償)給付は2年間、障害(補償)給付・遺族(補償)給付は5年間となっています。

・退職手当請求権
就業規則や労働協約、労働契約等により支給条件があらかじめ明確に規定されたものについては、労働の対償として支払われたものに該当し、5年間の消滅時効にかかります。

メンタルヘルスケアの必要性
2006/09/11

◆◇◆職場におけるストレス等の実情◆◇◆
メンタルヘルスケアとは日本語に訳すと「精神的健康管理」であり、企業でいうなら従業員のストレス等に対しての管理を指します。メンタルヘルスケアが近年盛んに騒がれている背景としては、職場を取り巻くストレス等の問題の深刻化が挙げられます。下記の表は2001年に厚生労働省が発表した「労働者健康状況調査」をグラフとして表示したものですが、人間関係・仕事の量・仕事の質がストレスの原因となるものの上位3位を占めています。これらの項目は日々必ず発生する問題であり、多大なストレスの発生は深刻な問題の引き金となりうる可能性があります。

◆◇◆こころの健康づくり◆◇◆
厚生労働省発表の「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」によると、事業場におけるメンタルヘルスケアの具体的な方法について、以下の4つを挙げています。

ⅰ)労働者自身による「セルフケア」
・事業者は、労働者に対してセルフケアに関する教育研修、情報提供等を行うこと。
・事業者は、労働者が自ら相談を受けられるよう必要な環境整備を行うこと。

ⅱ)管理監督者による「ラインによるケア」
・管理監督者は、作業環境、作業方法、労働時間等の 職場環境等の具体的問題点を把握し、改善を図ること。
・管理監督者は、個々の労働者に過度な長時間労働、過重な疲労、心理的負荷、責任等が生じないようにする等の配慮を行うこと。
・管理監督者は、 日常的に、労働者からの自主的な相談に対応するよう努めること。
・事業者は、管理監督者に対する心の健康に関する教育研修等を行うこと。

ⅲ)事業場内の健康管理担当者による「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」
・事業場内産業保健スタッフ等は、 職場環境等について評価し、管理監督者と協力してその改善を図るよう努めること。
・産業保健スタッフ等は、労働者のストレスや心の健康問題を把握し、保健指導、健康相談等を行うこと。 また、専門的な治療を要する労働者への適切な事業場外資源を紹介し、また、心の健康問題を有する労働者の職場復帰及び職場適応を指導及び支援すること。
・事業者は、事業場内産業保健スタッフ等に対して、教育研修、知識修得等の機会の提供を図ること。

ⅳ)事業場外の専門家による「事業場外資源によるケア」
・事業者は必要に応じ、 それぞれの役割に応じた事業場外資源を活用することが望ましい。

上記のことから読み取れるように、労働者が自ら進んで相談することができる環境を提供することが事業主にとっては必要です。

◆◇◆具体的な方法とは◆◇◆
精神的な疾患について、上記ⅰ)とⅱ)を使ったメンタルヘルスケアの方法を例として以下に挙げます。

①精神疾患についての正しい知識や予兆があったらすぐ相談するようにするなどの指導を広報誌やビデオなどで行い、精神疾患についての偏見をなくし、発症してもかくさず速やかに治療にはいることができるような状態にしておきます。

②上司や同僚が、部下の様子がおかしいと感じたらすぐに事業内産業保健スタッフ等へ報告、相談を行います。決して発症者や相談を受けたもの1人で抱えこませないようにします。1人で抱え込んでしまうと兆候・発症管理に遅れが出て、深刻な悪化へと導いてしまう恐れがあります。
管理監督者は、部下の本人らしくない行動を早期に発見するため、日ごろから職場内のコミュニケーションを重んじる必要があります。

◆◇◆過重労働に関する判例◆◇◆
最近ではうつ病などの精神疾患に対し、業務との関連性を認め労災を認定したり、事業者に対して賠償の支払いを命じる判決が多く出されています。また最近では平成18年9月4日に、退職後のうつ病による自殺も労災として認定するという趣旨の判決が東京地裁で出されています(国側が控訴の可能性あり、9月6日現在)。これについては、事業者側に対し過労と自殺の因果関係を認め、賠償の支払いを命じる判決が平成12年6月にすでに最高裁で確定しています。
このことから分かるように、事業者側はメンタルヘルスケアを怠ることにより金銭面・社会的地位の両面で多大なリスクを背負うことになります。
また、脳・心臓疾患の労災認定基準が平成13年12月に改正され、従来から重視してきた発症直前の過重負荷に加え、長期間にわたる疲労の蓄積も過重負荷として考慮されることになりました。新認定基準では「疲労の蓄積をもたらす労働時間の評価の目安」を次の通りとしています。

ⅰ)発症前1か月間ないし6か月間にわたって1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いと判断されるが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まるものと判断されること。

ⅱ)発症前1か月間におおむね100時間を超える時間外労働が認められる場合又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと判断されること

厚生労働省では、こうした過重負荷を排除し長時間労働が招く脳・心臓疾患を抑止するため「過重労働による健康障害を防止するため事業者が講ずべき処置等」を新たに定め、これに基づく健康障害防止対策を推進することとしました。以下は事業者が講ずべき処置等の一例です。

◆時間外労働に関する労使協定を締結する際は、時間外労働が月45時間以下となるよう努めること。また、時間外労働が月45時間以下となるよう適切な労働時間管理に努めること。

従業員に対するケアは、しいては会社自身に対するケアになりうるものです。従業員と会社、お互いによりよい環境を作るためにもメンタルヘルスケアの問題は今後ますます重要なものとなっていくでしょう。

解雇に関するトラブル急増!!
2006/08/21

◆◇◆解雇トラブルの急増◆◇◆
 近年、労働者の権利意識の高まりや、労働相談を受け付ける機関、裁判外紛争
処理に関する法整備等の充実とともに、解雇に関するトラブルが増えています。
全国の労働局が受け付けた個別労働紛争解決制度施行状況の厚生労働省
発表によると相談件数が年々増えているのが分かります。
また、その内訳は解雇、退職勧奨を併せて約3分の1を占めています。

◆◇◆解雇の種類◆◇◆
ⅰ)普通解雇
いわゆる就業規則などに記載された解雇事由に基づく、会社からの一方的な労働
契約解除のことであり、単に「解雇」という場合も多いです。

ⅱ)整理解雇
会社の経営上の都合から人員整理として行なわれる解雇であり、一般的にはリス
トラと呼ばれています。整理解雇の際は、裁判の判例で示されている4要件を満
たす必要があり、それら要件とは、
①経営を維持する為に人員削減の必要性がある
②解雇を回避するために具体的な措置を講ずる努力(出向、配置転換、任意退職
の募集等)が十分になされた
③被解雇者の選定が合理的で公平である
④人員整理の必要性と内容について説明・協議など、労働者の納得を得るように
努力を尽くしたこと
となっています。

ⅲ)懲戒解雇
著しく重大な違反があったときの懲罰としての解雇であり、通常は訓戒や譴責、
出勤停止などを経て、懲戒解雇となる場合が多くなっています。こういった懲
戒を行うには就業規則に事由をあらかじめ記載しておかなければならず、記載
のない事由による懲戒は、懲戒権の濫用とされ無効になってしまう可能性が高
いので注意が必要です。
また、普通解雇の場合は30日前に予告するか平均賃金の30日分の予告手当
を支払わなければなりませんが、懲戒解雇は労働基準監督署長に「解雇予告除外
認定許可」を申請し、許可を受ければ即時に解雇することが可能です。

◆◇◆解雇と退職勧奨◆◇◆
 近年、整理解雇の前段として退職勧奨が行われる場合が多くなっています。
退職勧奨は労働者の自発的な退職意思の形成を促すための行為であり、雇用契
約の合意解約の申し入れ、あるいは誘引のための行為とされていますので、そ
のこと自体なんら問題はありません。また、被勧奨者の人選や、被勧奨者に
よって退職金の割増しに差をつけることは使用者の裁量の範囲であると考え
られています。だからといってすべての退職勧奨が認められるわけでなく、
『退職強要』または『公序良俗違反』として違法と判断されることもあります
ので、以下の点について注意が必要と考えられます。
①被勧奨者が明確に退職を拒否している場合に、特段の事情もなく勧奨を続け
ないこと
②退職勧奨の回数、期間が通常必要な限度を超えないこと
③被勧奨者の自由な意思決定を妨げるような言動を与えたり、身体を拘束しな
いこと
④被勧奨者が求める場合は、立会人として第三者の同席を認めること

◆◇◆就業規則の重要性◆◇◆
 平成16年1月1日から施行された改正労働基準法において、「解雇は客観的
に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権
利を濫用したものとして無効とする」という解雇に関する一般ルールが法文と
して明文化されました。また、それに伴い就業規則への「解雇事由」の記載も
義務付けられました。
裁判で争われる場合においても、就業規則に記載されていない解雇事由はほと
んど認められていないのが実状です。また、就業規則で明文化することによっ
て労働者本人の納得が得られやすいといったメリットもあります。
解雇に伴う法的リスクは企業にとって非常に重要な問題ですので、この機会に
一度見直しされてみてはいかがでしょうか。

御社は「労働時間」についてどのようにお考えですか?
2006/07/24

 企業様により、「労働時間」や「時間外労働」に関する考え方はまちまちです。
そこで、今回は、このテーマについてお話をさせていただきます。

◆◇◆ 背景 ◆◇◆
 千葉労働基準局の平成15年度資料によりますと、①法定労働時間に関する
違反、②割増賃金不払い、③労働時間明示違反、④就業規則未作成、⑤賃金
台帳へ労働時間未記入の順になっております。この企業様の現状をみておりま
すと、労働時間について見直しをしないことは、労働基準監督署からの是正勧
告の対象になるということです。

※是正勧告とは、一言でいいますと、行政指導です。行政指導だからといって
非協力であったりし続けると、労働基準法の違反の罪に問われる場合があります。

◆◇◆ もし、労働時間管理をしなければどのようなリスクがあるのでしょうか。 ◆◇◆
 主要なものとしては、①サービス残業に対する割増賃金の不払いの問題や
②過労死における多大な損害賠償を請求されるかもしれない問題があります。

①サービス残業に対する割増賃金の不払いの問題には、「現状の労働時間」と「ある
べき労働時間管理」の格差をうめなければ根本的な解決にはなりません。
②過労死における多大な損害賠償を請求されるケースとしては、
代表的な裁判例は下記の通りです。

【裁判例 損害賠償額】
◆電通事件
○長時間労働及び睡眠不足により過度の心身の疲労によるうつ病の発症から自殺
最高裁小平12・3・24判決1億6,800万円
◆オタフクソース・イシモト食品事件
○職場の工場内で自殺・職場環境や長時間労働が原因と判断
広島地裁平12・5・181億1,111万円

上記の判例から読み取れますように、労働時間管理が上手くいかないことにより、長
時間労働をさせることにより、会社の安全配慮義務が認められ、会社側が敗訴するケ
ースが多いのです。

※安全配慮義務とは、労務の提供にあたって、労働者の生命・健康等を危険から保
護するよう配慮すべき使用者の義務のことです。怠った場合は、損害賠償を請求され
る場合があります。

◆◇◆まとめ◆◇◆
 労働時間をうまく管理するためには、
①管理職やリーダーが部下にいかに労働時間のマネジメントができるか。
②業務の見直しができ、改善ができるか。
③労働時間の現状とあるべき姿の格差に対する問題点を把握し、解決することができるか。
④仕方なく長時間労働になってしまう従業員に対して健康診断やメンタルヘルスの指導
等の対応がとれるのかが鍵となります。
つまり、労働時間をうまく管理することとは、ヒト(お客様と従業員)を大切にする組織、仕
事の進め方、仕組みづくりをいかに効率的に行うかがポイントとなります。

御社は「労働時間」についてどのようにお考えですか?

「衛生管理者」について
2006/06/19

前回は、「安全衛生管理について」記載させていただきました。
引き続き、安全衛生管理のトピックスである「衛生管理者」について記載
をさせていただきます。
「衛生管理者」とは、「総括安全衛生管理者」※の指揮を受けながら事業
場の「衛生」にかかわる技術的事項を管理する者のことをいいます。
50人以上の事業場には必ず選任する義務があり、国家資格試験を合格する
ことにより付与されるものです。
実際、50人以上の事業場において、「衛生管理者」の試験に合格している
人がいないために選任できていない場合があり、労働基準監督署の是正勧告
の対象になっているケースがあります。

※「総括安全衛生管理者」とは、事業場の実質的な統括管理責任者。

◆◇◆ 衛生管理者の業務と必要性 ◆◇◆
 衛生管理者の業務として、「衛生」にかかる技術事項を管理することです。
具体的には、事業者は50万円以下の罰金です。
①労働者の危険または健康障害を防ぐための措置に関すること
②労働者の安全または衛生のための教育の実施に関すること
③健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること
④労働災害の原因調査および再発防止対策に関すること
⑤労働災害を防ぐために必要な業務で、①から④の他、厚生労働省令で定め
るものです。

実際、顧問先様の企業様で「衛生管理者」の試験にどのようにとりくんでいくの
かというご質問をいただくケースが多いです。
そこで、どのような試験なのかはとりあげてみました。


◆◇◆ 衛生管理者試験とは? ◆◇◆
 第1種管理者試験と第2種衛生管理者試験にわかれており、第1種は全業種に
対応しており、第2種は対象業種が限られています。
試験科目は、第1種・第2種とも「関係法令」、「労働衛生」、「労働衛生」の3科目
です。

【申し込み先】
下記の最寄の安全衛生技術センターへお問合せください。
月に1、2回ほど実施されています。

■安全衛生技術センターのHP
http://www.exam.or.jp/main/menkyo_jyuken.htm

◆◇◆ 衛生管理者試験の勉強方法は? ◆◇◆
 衛生管理者試験についての通信教育、教育機関への通学等勉強方法はいろい
ろとあります。会社として「合格してほしい」しかし、コストをかけたくないという場合に
下記のような勉強法はいかがでしょうか。
一例として、
◎一つの問題集を決めて3回繰り返すこと。
◎数字がらみは必ず整理して覚えること。
◎問題集は解答、解説が充実したものを選ぶとよいこと。
これならば、1冊の書籍を購入するだけでよいでしょう。

これだけでは、不安という方はHPやメルマガを活用しましょう。
参考WEBサイト、メルマガは、下記の通りです。

【参考WEBサイト、メルマガ】
◆ 衛生管理者Web・・・問題を解きたいヒト向け
http://www.matsui-sr.com/eisei/eikan.htm

◆ まぐまぐ・・・労働基準法や改正点を確認したいヒト向け
◎一日一問 労働基準法 穴埋め 問題
http://www.mag2.com/m/0000149183.html
◎合格!第一種衛生管理者試験(法改正対応版)
http://www.mag2.com/m/0000097092.html

◆◇◆ 衛生管理者に合格してもらうために他企業が実施していること ◆◇◆
 衛生管理者に合格してもらうために他企業が実施している事例としましては、
①資格手当をつける
②一時金で褒賞金を渡す
③通信教育等の補助を行う
④社内で勉強会を実施する
などが多いようです。社員のモチベーション管理が必要ですね。

安全衛生管理について
2006/06/08

まずは、来月から始まります全国安全週間についてお話します。

◆◇◆全国安全週間◆◇◆
 全国安全週間は、産業界における自主的な労働災害防止活動を
推進するとともに、広く一般の安全意識の高揚と安全活動の定着
を図ることを目的として、昭和3年から実施されています。毎年、7
月1日から7月7日までを本週間、6月1日から6月30日までを準
備期間としています。

◆◇◆労働安全衛生法って?◆◇◆
 労働安全衛生法(一般的に簡略化して「安衛法」と呼びます)は、
労働基準法から分離されて作成された法律です。
具体的な目的としては、
①労働災害を防ぐための危害防止基準の確立、事業場内での責
任体制の明確化、事業者(※1)の自主的な活動の促進措置を講
ずるなど、総合的・計画的な推進をすることで、職場の労働者(※2)
の安全と健康を確保すること
②快適な職場環境の形成促進することです。

※1・・・簡単にいうと、労働者を使用するもの(○○株式会社、経
     営者個人など)
※2・・・簡単にいうと、※1に使用されるもの(業務執行権のある法
     人の役員、同居の親族、請負契約の人を除きます)

◆◇◆安全衛生管理体制とは?◆◇◆
 安衛法には、労働者の人数と事業業種区分により、事業者がとる
べき安全衛生管理対体制は異なります。例えば、総括安全衛生管
理者、安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者、
産業医、作業主任者などです。

★詳しい管理体制についてお知りになりたい方は、株式会社人事部
のメールアドレスにアクセスしただければ一覧表をメールにて添付フ
ァイル形式で差し上げます。

【株式会社人事部メールアドレス】
info@jinjibu.biz 

◆◇◆御社の安全衛生管理は大丈夫?◆◇◆
 「当社は、いままで労災が発生したことがないので、大丈夫!」とい
う安全神話は、これから述べる「ハインリッヒの法則」によると、崩れて
しまいます。
ハインリッヒの法則とは、アメリカのハインリッヒが、約5万件の労働災
害の事例を調査して〔1:29:300の法則〕を発見しました。これは、1
回の重傷災害が発生したとすれば、その人は同じ原因で29回の軽傷
災害を起こし、また同じように、傷害にはいたらなかったできごと、いわ
ばニアミス事故を300回も経験しているというものです。広義では、これ
らの底辺には無数の不安全状態と不安全行動があるというものです。

御社の安全・衛生管理大丈夫ですか。毎日気をつけてこそ、安全が守ら
れます。
「備えあれば憂いなし」ですね。

人事、労務管理について
2006/05/26

こちらのページでは、皆様に人事、労務管理についての情報提供をさせていただきます。

日ごろ現場で抱えていらっしゃる課題事項などいただければ取り上げていきたいと思いますので、皆様からのご要望もお待ちしております。